爆発の余韻が夜空に消える。
キャッティの拳は確かに巨大兵器の装甲を穿ち、ルミナ鉱の核にヒビを入れた。しかし、勝負はまだ終わらない。
「やるじゃないか、小娘」
瓦礫の上から見下ろすバルドスの表情が、僅かに引き締まる。
次の瞬間、巨大兵器の装甲が変形を始めた。紫色の輝きが膨れ上がり、内部のルミナ鉱がさらに強烈な光を放つ。
「ルミナ鉱の力を、甘く見るなよ」
地面が揺れ、機械兵たちが次々と起動する。数の暴力と強化された巨体が、再びキャッティを包囲した。
「もう、数なんか怖くない!」
キャッティは地を蹴り、紅い残光と共に戦場を駆ける。拳、蹴り、尻尾のしなり。次々と機械兵が爆発し、煙と炎が夜を染めていく。
だが——
「なっ……!」
強化された巨大兵器が、キャッティの不意を突いて腕を振り下ろした。咄嗟に防御するも、衝撃で吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「がはっ……!」
息が詰まり、視界が揺れる。痛みが全身を走り、立ち上がるのが困難だ。
「これが限界か? 王族の末裔よ」
バルドスがゆっくりと歩み寄る。巨大兵器が、ルミナ鉱の光をさらに強めた。
「お前の兄たちは、もっと強かったと聞く。だが、お前は——」
「うるさい……」
キャッティは呻きながら、拳を握った。目の奥に、ザフリスの夜空と、傷ついた星の姿が焼き付く。
(私は……この星を守りたい。兄たちの伝説に頼らなくても)
「私は、私の力で戦う!」
シークレットサインが、今までにない強烈な輝きを放つ。紅い光が全身を包み、痛みが次第に薄れていく。
「……何?」
バルドスの目が細められた。
キャッティの身体が宙に浮かび、紅い光が大地を照らす。王族の血が、ついに覚醒の兆しを超え、真の力を解放しようとしていた。
「これが……私の中にある、王族の力……!」
荒い息を整え、キャッティは拳を突き出す。
「この星も、ルミナ鉱も、仲間も……絶対に渡さない!」
夜のザフリスに、再び激しい戦いの幕が落ちた。