紫の光線が、夜のザフリスを切り裂く。
キャッティは紅い残光をまとい、地を駆ける。目の前に立ちはだかるのは、ルミナ鉱を核にしたバルドスの巨大兵器。
「この星を、私たちの家を、これ以上汚させない!」
キャッティの拳が輝き、鋭い跳躍と共に巨体の胸部を狙った。しかし、ルミナ鉱で強化された装甲は硬い。拳がめり込み、衝撃が周囲に波紋を生むが、完全には破れない。
バルドスが不敵に嗤う。
「力が少し覚醒した程度で、どうにかなると思ったか?」
次の瞬間、巨大兵器が両腕を振り下ろす。大地が砕け、キャッティはバランスを崩した。
その隙を逃さず、兵器の腹部から紫色のビームが放たれる。
「くっ!」
咄嗟に身を翻し、直撃は避けたものの、衝撃波に吹き飛ばされ、キャッティの身体が地面を転がった。
「まだ……まだ終わらない」
痛む身体を無理やり起こす。頭の中で兄の存在がよぎる。会ったことはなくても、L77星人としての誇りと、伝え聞いたその強さが、キャッティの心を支えていた。
バルドスが高笑いを上げる。
「王族の血を誇れど、その程度。兄の影を背負うには未熟だな」
「兄さんの影なんて……私は、私の戦いをするんだ!」
シークレットサインが再び脈打つ。紅いエネルギーが全身を巡り、視界が澄み渡った。
「感じる……この星の声……ルミナ鉱の、鼓動」
バルドスの兵器の核——ルミナ鉱。その存在が、星と繋がるように意識へ響いてくる。
「この力、まだ完全じゃない……でも」
キャッティは地を蹴った。これまで以上の加速。紅い光が夜の闇を裂き、兵器の側面へと突撃する。
拳を握り、紅いエネルギーを集中させた。
「王族の力、舐めないでよ!」
鋭い一撃が放たれ、巨大兵器の装甲に亀裂が走る。ルミナ鉱の核に、かすかなひびが刻まれた。
「ほう……やっと、少しは楽しめそうだ」
バルドスの目がわずかに細められた。
キャッティは息を整え、構え直す。力は、まだ完全ではない。だが確実に、自身の中で何かが目覚めつつあった。
「この戦い、絶対に負けない……!」
夜のザフリスに、紅と紫の光が再び交錯した。