夜のザフリスに火花が散る。キャッティの紅い影が、爆炎の中を駆け抜けた。
「やれる……まだやれる!」
荒い息を吐きながらも、キャッティの目に怯えはなかった。身体中に走る痛みを振り切り、再び拳を握りしめる。
黒い機械兵たちが残骸を越えて迫る。砲撃、触手、ビーム、あらゆる攻撃がキャッティを狙って飛来する。
だが、紅い身体が翻り、次々と攻撃をかわす。エネルギーフィンが風を切り、尻尾がしなやかにうねる。
「ふん……あがくがいい」
瓦礫の上、バルドスが腕を組んで見下ろしていた。手の中では、ルミナ鉱の原石が淡い光を放っている。
キャッティは地を蹴り、再び跳び上がった。拳に紅いエネルギーが集まり、機械兵の頭部を撃ち抜く。爆発音と共に、周囲の兵が吹き飛んだ。
「この星を壊すために、ルミナ鉱を使うなんて、絶対に許さない!」
キャッティの叫びが夜空に響く。
しかし、バルドスの笑みは消えない。
「許さないだと? そんな甘い言葉で、私の軍勢が止まると思うか?」
バルドスが指を鳴らすと、地面が震えた。黒い地割れが走り、巨大な機械生命体が姿を現す。ルミナ鉱を核に埋め込まれた異形の巨体が、唸り声をあげた。
「ルミナ鉱で強化した兵器の力、存分に味わえ」
巨体の口から紫色の光線が放たれる。キャッティは咄嗟に身を翻し、ビームを回避するが、地面がえぐれ、爆風が吹き荒れた。
「このままじゃ……」
キャッティは腹部に手を当てた。王族の証、シークレットサインが微かに脈打つ。だが、まだその力を完全には引き出せていない。
「落ち着け……私は、兄たちの妹なんだから」
心を鎮め、キャッティは再び地を蹴った。紅い影が夜空を駆け、巨体の懐へと突っ込む。
「これで終わりにする!」
拳を振りかぶり、全力のエネルギーを込めて放つ。
だが——
「甘い」
バルドスの冷たい声と共に、巨体の装甲が変形し、キャッティの拳を受け止めた。次の瞬間、反撃の衝撃波がキャッティを弾き飛ばす。
「くっ……!」
地面に叩きつけられたキャッティは、土煙の中で必死に立ち上がる。
バルドスが
「どうした、王族の末裔よ。その程度か?」
キャッティは歯を食いしばり、再び拳を握った。
「まだ終わらない……絶対に、終わらせない!」
夜のザフリスに、再び紅い光が迸る。