第5話 ルミナ鉱の影

〜 ウルトラウーマンキャッティ 〜

 黒い機械兵たちが、ザフリスの夜に無数の影を落とした。
 キャッティの紅い身体が、包囲網の中で光を弾く。
「数で押せば勝てると思ってるの?」
 キャッティは尻尾をしならせ、バランスを取りながら周囲を見据えた。
 その紅いボディスーツの胸元では、王族の証たるシークレットサインが淡く輝いている。
 バルドスが、瓦礫の上から見下ろす。
「小娘、ルミナ鉱は我々オルグロードの再興に不可欠だ。お前ごとき、時間稼ぎにもならん」
 キャッティは、拳を強く握った。
「星を壊してまで、そんなもの要らない」
 跳躍と共に、キャッティは機械兵の頭上へ。
 鋭い蹴りが放たれ、一体の兵が爆発する。
 だが、次の瞬間、背後から黒いエネルギーが迫る。
「しまっ——」
 咄嗟に腕をクロスし、衝撃を受け流すが、地面に叩きつけられる。
 砂埃の中、キャッティは呻きながら立ち上がった。
「甘いな」
 バルドスが歩み寄る。
 その手には、黒く輝く結晶体——ルミナ鉱の原石が握られていた。
「これがルミナ鉱。お前たちL77星人が、守りきれなかった星の遺産だ」
 キャッティの瞳が揺れる。
「それを…そんな風に使うな!」
 怒りと共に、紅い光がキャッティの身体を包む。
 エネルギーフィンが風になびき、尻尾が鋭くしなる。
「兄たちの戦い、母さんの願い、全部無駄にしない!」
 キャッティは再び跳び上がった。
 拳に集まる紅のエネルギー。
 その一撃が、黒い機械兵たちを貫く。
 次々と爆発し、煙と炎が辺りを覆う。
「ほぅ、少しはやるようだ」
 バルドスの笑みが、僅かに消える。
 キャッティは荒い息を吐きながら、睨みつけた。
「この星も、ルミナ鉱も、絶対に渡さない」
 夜のザフリスに、再び紅い影が駆ける。
 戦いは、まだ終わらない。