「試してみなよ、バルドス!」
キャッティの拳が夜空を突き上げ、赤いエネルギーがほとばしる。
地面が割れ、宙に砂塵が舞う。
だが、バルドスは動じない。黒いマントをはためかせ、不気味な笑みを浮かべている。
「ほう、見せてもらおうか。L77の末裔の“力”とやらを」
そう言い終わる前に、キャッティの姿が消えた。
——消えた、わけじゃない。高速のステップで間合いを詰めたのだ。
その赤いボディが宙を駆け、鋭い蹴りがバルドスに迫る。
バルドスは咄嗟に黒い障壁を展開し、衝撃を受け止めた。
「ちょこまかと、猫のようだな」
「そりゃ、あたしの得意分野だからね!」
地面に着地したキャッティの首元には、揺れる紅のエネルギーフィン。
一見、髪のようにも見えるが、それはマスクと一体化した戦闘用の飾り。
彼女の王族としての血を象徴する、誇りの証だった。
バルドスが舌打ちする。
「だが所詮、小娘の小細工。真の力を見せてやろう」
次の瞬間、黒いエネルギー弾が放たれる。
キャッティは横に跳び、尻尾をしならせてバランスを取る。
「ふっ、動きだけは悪くないか」
瓦礫が崩れ、煙が上がる中、バルドスは手を掲げた。
「機械兵、展開」
その号令と共に、黒い影が次々と現れる。
機械兵たちが、キャッティを取り囲んだ。
「囲むの好きね、そっちの連中は」
キャッティの胸元、王族のシークレットサインが淡く輝く。
「でもさ、こんなの——全部まとめて、薙ぎ払う!」
再び紅い光が弾け、キャッティは夜空を舞う。
ザフリスの闇を切り裂く、紅き影。
戦いは、ここからが本番だ。