第3話 紅き血脈、狙われる星

〜 ウルトラウーマンキャッティ 〜

 夜のザフリス星に、不気味な影が忍び寄っていた。
 瓦礫の上に立つウルトラウーマン・キャッティの背後で、鋭い声が響く。
「なるほど、レオやアストラだけでなく、妹までいたとはな……」
 声の主は、銀色の仮面に黒いマントを纏った異星人。
 その目は赤く光り、禍々しい気配を放っている。
「誰……あんた、何者……?」
 キャッティが身構える。
 戦闘態勢のまま、慎重に間合いを取った。
「名乗るほどの者でもないが……オルグロード残党の指揮官、バルドスだ」
 その名に、キャッティの表情がわずかに強張る。
 母から聞かされた言葉を思い出した。
 かつて、兄たちが戦った銀河の脅威——オルグロード軍。
 滅びたはずのその名が、目の前で蘇るとは。
「L77の残党……そうか、だからあんたたち、ザフリスを狙うんだ」
「察しがいいな。ザフリスには、L77滅亡前に流出した『ルミナ鉱』が眠っている」
 ルミナ鉱。
 宇宙でも希少なエネルギー鉱石。
 星間航行や兵器開発に欠かせない資源。
「それを使って、また戦争を?」
「そのためだ。…そしてお前、L77の血を引くなら、我らの脅威になり得る」
 バルドスの手が光り、黒いエネルギーが放たれる。
 キャッティは素早く跳び退り、ビルの陰へ身を隠す。
「ふーん、話が早いってわけね」
 キャットチャームを握りしめ、再び変身するキャッティ。
「ルミナ鉱も、この星も、あたしが護る!」
 彼女の身体が紅く輝き、再びウルトラウーマンキャッティが夜空を駆ける。
 バルドスが嘲笑する。
「面白い……だが小娘、兄たちほどの力が、お前にあるのか?」
「試してみなよ、バルドス!」
 キャッティが拳を突き出し、戦いの火蓋が切って落とされる。
 まだ知らぬ、己の血の宿命と、兄たちの影を背負って——