銀河の果て、星雲帯を抜けた小さな宇宙船が静かに航行していた。
コクピットで
「ここからが、本当の旅だしね」
L77星の名残など、この宇宙にはほとんど残ってはいない。だが、キャッティの血と誇りは、その証として確かに流れている。
「次は、惑星ザフリス。……星人事件が多いって噂、まさかね?」
だがその星で、キャッティはまだ知らない。
かつて兄たち、レオとアストラが背負った宿命が、自分の前にも立ちはだかることを——
星の海を、一つの影が駆けていた。
小型宇宙船の窓から見えるのは、永遠に続くような漆黒の宇宙と、無数の星の輝きだけ。
惑星フェリダを離れて三日、キャッティはひとり、銀河の果てを目指していた。
「これが、宇宙か」
期待と、不安と、ほんの少しの寂しさが混じる声。
キャッティ——惑星フェリダで生まれ育った女性。
だが、その血には、L77星という滅びた星の誇りが宿っている。
誰よりも早く、誰よりも強く、誰よりも自由に——
そう信じて、彼女は旅立った。
行き先は、惑星ザフリス。
辺境に位置する鉱石資源の星。
だが、最近は星人による事件が相次いでいるという。
「L77のような、あんな悲劇はもう、繰り返させない」
キャッティは拳を握った。
故郷のことは、よく知らない。
だが、母がいつも言っていた。
——お前は、星を護るために生まれてきたのだ、と。
その言葉だけが、今の彼女を突き動かしている。
ザフリス星・軌道上。
小型宇宙船が接近するや否や、警報が鳴り響く。
目の前には、黒い影が浮かんでいた。
巨大な宇宙船。その船体には、禍々しい紋章——
「まさか、オルグロードの残党……」
キャッティの瞳が紅く輝く。
兄たちが戦ったという、宇宙の闇。
自分もまた、その渦中に踏み込もうとしている。
「なら、やるしかないじゃん」
キャットチャームが光り、彼女の姿が紅い閃光に包まれる。
銀河に舞い降りる、もうひとつの紅い獅子——いや、獅子の妹、旅猫の戦士。
「ウルトラウーマンキャッティ、ただいま参上!」
宇宙を駆ける紅い影が、戦いの幕を開ける。